一戸 達也
東京歯科大学・学長
東京歯科大学は、令和5年度から東京医科歯科大学を主幹とするグループ(慶應義塾大学、国際医療福祉大学、順天堂大学、東海大学、東京薬科大学)が実施するプロジェクトである、文部科学省「次世代がん医療を担う多職種人材養成プラン」に連携大学として参画します。全参加校の中で唯一歯科大学からの参画です。本事業は「がん患者を誰一人取り残さないがん対策を推進し、全ての国民とがんの克服を目指す」ことを全体目標として掲げており、本学におきましては歯科医学の立場からがん医療に貢献できる人材育成を推進することを目標に掲げました。
本学では3つのコースを設置し、臨床研修と高度がん研究の両立を目指す極めて特色ある大学院博士課程を準備しました。本学の特徴の一つとして、千葉県市川市に教育機能も兼ね備えた総合病院を有していることが挙げられます。本院では、従来からチーム医療、多職種連携に関する数多くの歯科医学教育と臨床研修の実績を積んでまいりました。更に令和6年度からは、国立がん研究センター中央病院のご協力のもと、国立がん研究センター中央病院におけるがん診療の臨床研修プログラムも開始いたします。これらの研修を通じて次世代のがん医療を担う歯科医師の輩出に貢献できればと考えています。
口腔がんは直視できる部位に発生することから、歯科医師による早期発見が極めて重要な疾患であります。また一方で、がん患者の治療前後の周術期口腔機能管理、術直後の口腔衛生管理による合併症の予防、退院後の様々ながん患者に対する食支援は歯科界の重要なテーマとなっています。本学のすべての教職員が本事業を通じて国民の健康増進に寄与するべく努力してまいります。関係各位の変わらぬご支援をいただきますようお願いいたしまして、ご挨拶とさせていただきます。
齋藤 淳
東京歯科大学大学院歯学研究科研究科長
事業総括(事業責任者)
本学の大学院歯学研究科に「がんプロフェッショナル養成プラン(通称がんプロ)」のコースが設置されたのは平成20 年からになります。この間、口腔がんやがん支持療法に関する多数の研究論文が発表され、がん医療の分野で活躍する歯科分野のスペシャリストが養成されてきました。令和5 年度より第4 期のがんプロ事業が始まり、東京医科歯科大学を主幹校とする7大学連携事業に参画することとなりました。これからの活動を大変楽しみにしています。超高齢社会に突入し、我が国の医療の枠組みが大きく変化してきました。2人に1人ががんに罹患する時代に、このがんプロ事業が国民の健康増進の一助になるのは間違いありません。歯科の単科大学で唯一この事業に参画できたことは大変有意義なことであると考えています。本学大学院の歴史は古く、基礎と臨床を通じて歯科医学の発展に貢献してまいりました。細菌学や衛生学、保存学、補綴学、そして口腔外科学など様々な分野で多くの実績を残し、国民の口腔健康増進を担うスペシャリストを輩出してきました。本学大学院のアドミッションポリシーで求める学生像として、「既成の価値観にとらわれず、自ら問題を発見し、解決しようとする力を備えている人材」があります。多職種連携の中で、がん医療を通じた口腔健康増進に主導的な役割をはたす歯科医師の養成は重要課題であり、がんプロ大学院生が一人でも多く入学することを心より祈念してご挨拶にかえたいと思います。
野村 武史
東京歯科大学口腔腫瘍外科学講座・教授/
東京歯科大学口腔がんセンター・センター長
コーディネーター担当(総括)
東京歯科大学は令和5年度からスタートした「次世代がんプロフェッショナル養成プラン(大学教育再生戦略推進費)」に東京医科歯科大学を主幹とするグループ(慶應義塾大学、国際医療福祉大学、順天堂大学、東海大学、東京薬科大学)が実施するプロジェクト「次世代がん医療を担う多職種人材養成プラン」に歯科大学・歯学部から唯一参画します。
本プロジェクトにおける本学の役割は、がん医療の現場で口腔の健康推進に主導的な役割を果たすことのできる人材の育成であり、口腔がん治療に特化した「口腔がん治療専門医養成コース」、口腔領域の機能回復を専門とする「顎顔面補綴専門医養成コース」、がん患者の食支援、栄養管理を実践できる「支持療法専門医養成コース/口腔ケア・摂食嚥下リハビリテーション・栄養療法分野」の3つの大学院博士課程を立ち上げ、令和6年度より開講します。
口腔の専門医として、口腔がんの予防や早期発見の推進、頭頚部がん患者の顎補綴分野のスペシャリストの養成、がん患者の食支援に貢献できる人材を育成し、さらに連携大学共通インテンシブコースを立ち上げ、7大学グループの中で多職種と協働して研修を行う場を提供してまいります。